寒い冬でも暖かく快適に過ごすための暖房器具にはさまざまな種類があり、足元からじんわりと暖めてくれる床暖房は人気の高い設備です。家を建てるときに設置を検討することも多いのですが、リノベーションする際に床暖房を導入することは可能です。今回は、床暖房の種類や特徴、設置方法などをご紹介します。
■床暖房の種類は2種類
床暖房は大きく分けて、仕組みが異なる2種類があります。
・電気式
床下に発熱体を設置し電気を流すことで暖める仕組みです。構造がシンプルなため比較的簡単に施工でき、工期が最短1日と短いことが大きなメリットでしょう。一方で暖まるまである程度の時間を要し、ランニングコストも高めな傾向があります。また、長時間体が床に触れたままでいると、低温やけどを起こす可能性があるので注意が必要です。
・温水式
床下に設置した温水パネルに、電気やガスで温めたお湯を循環させることで暖めます。ランニングコストが安く、素早く部屋全体を暖めることができるというメリットがあります。床下の配管工事など施工に手間がかかり、設置費用も高くなりやすいことがデメリットといえるでしょう。
■リノベーションで床暖房を設置する施工方法
床暖房を設置する施工方法は主に以下の2種類があります。
・直張り
直張りは、既存の床材の上に床暖房の設備を設置し、その上に床材を張る方法です。床材と床暖房設備が一体になったタイプもあります。既存の床材を剥がす手間がない分工期が短く、撤去費用がかからないため比較的施工費用も抑えられます。既存の床材の上に張るので床が厚くなり、室内ドアの開閉への影響や他の部屋との段差に注意が必要です。
・張り替え
既存の床を剥がして床暖房を設置し、その上に床材を張る方法です。床暖房設置前と同じ床の高さに調整することも可能なため、見た目をすっきりと美しく仕上げることができます。既存の床を剥がしたり撤去する作業が発生するため、工期が多少長くなり、費用も高くなることが考えられます。
床暖房は他の暖房器具のように空気が乾燥したり汚れる心配もなく、やさしくじんわりと暖めてくれます。また、設備自体が見えないため、どんなテイストの部屋でも取り入れることができます。床暖房に対応した無垢フローリングなど、床材も多様化しているので、より好みに合った部屋づくりが楽しめるでしょう。中古マンションなど、床暖房の後付けが難しい物件もありますが、施工方法や費用などを考慮して、生活スタイルに合った床暖房を選ぶと良いでしょう。