日本は高齢化社会といわれて50年以上が経ち、超高齢化社会に突入してからも15年以上が経過しています。日常生活の中で介護を必要とする方も増えており、介護する方も高齢者というケースも少なくありません。そういった状況から住まいに不便さを感じ、リノベーションを検討する方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マンションでもできる介護向きのリノベーションについてご紹介します。
■リノベーションのポイント
年を重ねると、身体能力の低下により小さな段差でつまずいたり、歩行が困難になるなど、負担を感じることが多くなります。家の中で少しでも快適に過ごせるよう、リノベーションについて考えていきましょう。
・間取りや動線
高齢者が生活しやすい点を考えると、家の中の動線は短くシンプルなほうが良いでしょう。できるだけ動線を直線にしておくと、車椅子でもスムーズに移動できます。トイレや洗面所を寝室の近くに設置すると、介護する側の負担も軽減できます。
それぞれの部屋を回遊できる間取りにすると家事や介助の効率が良くなり、介護する側も介護される側もストレスを感じにくくなるでしょう。
・バリアフリー化
浴室やトイレ、廊下などに手すりを設置し、車椅子の利用も考慮してスペースは広めにとっておきましょう。各部屋の段差は解消し、扉の取っ手は高齢者が動かしやすく開閉しやすいものを選ぶことも大切です。開閉スペースが少ない引き戸もおすすめです。
床材を滑りにくいものやクッション性の高いものに変更するのも有効ですが、マンションでは階下への音の問題から床材の遮音性能の基準を管理規約で定めていることもあります。
■マンション選びのポイント
せっかく住居部分を暮らしやすいようにリノベーションしても、マンション自体に不自由さを感じては快適とはいえません。マンションの入り口や住居までの廊下に大きな段差がない、車椅子でも通れるだけのスペースがある、リノベーションがしやすい、といった点をチェックしてみてください。
介護のためのリノベーションといっても、それぞれの家庭によって求める住まいの形は異なるでしょう。マンションによってもリノベーションにおける制約には違いがあります。
大切なことは、介護を必要としている方も介護をする方も、お互いに快適で暮らしやすい住まいをつくることです。その手段の一つとして、マンションのリノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。