新築よりもコストがかからず、自分らしい空間がつくれると人気のリノベーションですが、希望通りにできないこともあります。
理由はマンションの構造の問題や管理規約による制約などさまざまです。今回は、マンションのリノベーションで、できることとできないことを解説します。
■「専有部分」と「共有部分」
共同住宅であるマンションには、個人(区分所有者)が単独で所有できる「専有部分」と、それ以外の「共有部分」に分けられています。専有部分は個々の住居スペースであり、共有部分は主に玄関ホールや廊下、階段やエレベーターなどをいいます。ここで注意したいのが、各住居の玄関ドアや窓、バルコニーなどは共有部分になります。
外観に統一性を持たせるためと思われ、外に接している部分は共有部分と考えたほうがわかりやすいかもしれません。一般的にはこのような分け方ですが、正確にはそれぞれのマンションの管理規約によって専有部分と共有部分が定められています。確認してみると良いでしょう。
■マンションのリノベーションでできること
基本的には、個人の所有が認められている専有部分であればリノベーションを行うことは可能です。例でとしては、壁や天井の内装の変更、トイレや洗面台など設備の交換、室内建具の変更などです。構造的に問題がなければ、間仕切り壁の撤去や間取りの変更も可能です。水回りの移設も、配管や排水時の勾配など施工が可能であれば行えますが、水漏れや音の問題から管理規約によって制限しているところも少なくありません。
床材の変更も可能ですが、マンションでは遮音性能の基準を設けていることが多く、希望の床材が使用できないこともあるため注意が必要です。
■マンションのリノベーションでできないこと
原則として、共有部分に関してはリノベーション行うことができません。住宅内であっても、マンションの骨組みとなる躯体は、構造的にもリノベーションは不可能です。玄関ドア自体の交換はできないのですが、玄関ドアの内側は専有部分となるので塗装など部分的なリノベーションが可能なこともあります。
窓も共有部分なのですが、防犯や断熱、遮音などの性能を向上させる目的であれば認められる場合があります。
共同住宅であるマンションでは、リノベーションでできることとできないことがあります。マンションによって構造や管理規約が異なるため、リノベーションを行う際は、事前にしっかりと確認することが大切です。