新しい住宅を検討する際に、「中古のマンションを買ってリノベーションする」という方法を選択肢に加える方が近年増えています。価格や自由さなど魅力も多い反面、デメリットや注意したい点があることも確かです。どのようなメリットやデメリットがあるのか解説します。

■マンションリノベーションのメリット

まずは、人気の理由ともなっているメリットの部分を見ていきましょう。

・購入価格が安い

最大のメリットは、購入費用が抑えられることではないでしょうか。エリアや築年数にもよりますが、同じ広さの新築マンションと比べて半値近くまで下がっている物件もあります。購入価格を抑えて、その分をリノベーションの費用に充てることもでき、全体的にコストパフォーマンス良い住まいが実現できます。

・自分の好みにできる

新築マンションの場合は間取りや仕様は決められていることが多く、選ぶことができても限られたものになります。マンションのリノベーションなら、家族構成や生活スタイルに合わせて間取りを変更したり、内装や設備を自分好みに変えたりすることもできます。満足度の高い住まいづくりができることは、大きなメリットに感じるでしょう。

・物件が豊富

一般的に新築よりも中古マンションのほうが物件の流通量が多く、選択肢も豊富な傾向にあります。駅前などの立地条件が良い場所は、すでに多くの住宅やマンションが建っているので、希望のエリアで新築では物件がなくても、中古マンションなら見つかる可能性も高まるかもしれません。

・近隣や周辺環境を確認できる

新築マンションでは、モデルルームの見学のみで決める場合も少なくありません。集合住宅で気になるは、隣や上下階にどんな人が住んでいるかということではないでしょうか。中古の物件なら事前に確認ができ、マンション全体の雰囲気も把握できるでしょう。また、周辺の昼夜の雰囲気や治安なども確認することができます。住宅は高い買い物なので、事前にさまざまなリスクを回避しておくと、より安心できるでしょう。

■マンションリノベーションのデメリット

良いところも多いのですが、デメリットも存在します。

・自由度に制限が生じることもある

マンションのリノベーションは「自分の好みにできる」ことが魅力ですが、構造上不可能なこともあり、壁で建物を支える構造では間取りの変更ができないこともあります。また、水回りは給排水の面から移動には制限が生じます。共有部でもあるサッシや玄関ドアの変更や、マンション独自の制約が決められている場合もあります。物件を決める前によく確かめておくことが大切です。

・ローン金利が高くなる場合がある

中古マンションを購入するとき、住宅ローンの利用を考えている方も多いと思いますが、金融機関によってリノベーションには適用されないケースがあります。リフォームローンもありますが、住宅ローンに比べ金利が高い傾向なので、月々の返済負担が大きい可能性もあるので注意が必要です。

・入居までに時間がかかる

新築マンションであれば完成後すぐに入居できますが、中古マンションをリノベーションする場合は、購入後に工事が始まるため、工事の規模にもよりますが、設計・工事期間を含めて平均３～６ヶ月程度必要です。現在の住まいの家賃や、持ち家の場合は仮住まいの家賃も生じるため、工期も念頭に置いておきましょう。

マンションのリノベーションには、魅力あるメリットやさまざまなデメリットが存在します。両者をしっかりと把握し、自分たちの生活スタイルに合っているか、家族みんなが暮らしやすい住まいを実現できるか、など熟慮することが大切です。