新型コロナウィルスの影響で、働き方などさまざまなことが大きく変わりました。「住」についても例外ではなく、家づくりや暮らしに対する考え方や在り方も変化し、新しい生活スタイルが求められるようになりました。そこで、これを機にリノベーションを検討する方が増えています。これまでの住まいを見直し、快適に過ごせるためのポイントを考えてみましょう。
■ワークスペース
コロナ禍になる以前から書斎やワークスペースを望む声はありましたが、最近はテレワークやリモート会議などの増加によって、その需要はより高まっています。生活音や声をほぼ遮ることができ、集中して仕事に取り組める個室タイプが人気ですが、間取りや面積の問題があり難しい場合は、リビングなどに間仕切りを設け、適度に視線や音を遮る半個室タイプにするのも良いでしょう。家族の様子を見たり、合間に家事をこなしたりと、こちらのほうがニーズに合っていることもあります。また、お家時間が増えたことで、ワークスペースだけでなく「趣味スペース」として活用するケースも増えています。家で過ごす時間を快適で充実したものにするためにも、リノベーションのときに考えたいポイントといえます。
■玄関
感染対策の場として、注目されているのが玄関です。玄関に収納スペースがあれば、ウイルスが付着した上着や持ち物を家の中に持ち込むことを防げます。PM2.5や花粉対策としても効果を発揮するでしょう。汚れたスポーツ用具や雨具なども収納できるので、玄関がスッキリします。スペースに余裕があれば、帰宅後にすぐ使えるように、手洗い場を設置するのも良いですね。玄関の外になりますが、宅配ボックスを導入する方も増えています。留守中でも受け取ることができ、非接触なところも人気の一因となっています。
■パントリー
コロナ禍では、「買い物の回数を減らすため、まとめ買いをすることが増えた」という方も多いのではないでしょうか。外食に行く機会も少なくなり、お家時間を利用して料理やお菓子づくりを始めたという方もいるでしょう。キッチンの周りにパントリーを設ければ、買い置きの食材やたまにしか使わない食器、調理器具などを収納することができます。いつ起こるかわからない災害対策として、防災グッズや備蓄品を置いておくこともおすすめです。
■抗ウイルス仕様建材
最近の時世を反映して、さまざまな抗ウイルス仕様の建材やファブリックが多数発売されているので、リノベーションの際に検討してみるのはいかがでしょうか。ウイルスを吸着して不活化する壁紙やカーテン、カーペット、抗ウイルス加工を施したフローリングやタイルなどもあります。もちろん、こういった機能だけで防げるわけではありませんが、補助的な役割として取り入れてみるのも良いでしょう。また、衛生的で使い勝手もいい、非接触型の設備を導入するのも良いですね。手をかざすだけで操作できるタッチレス水洗や、近づくとトイレのふたや便座が自動で開き、立ち上がると自動で水が流れふたや便座が閉じる便器、などさまざまな設備があります。このような住宅設備機器は日々進化しているので、生活スタイルに合ったものを上手に活用しましょう。
リノベーションと一言でいっても、大がかりなものから手軽に施工できるものまでさまざまです。生活スタイルや費用、工期なども考慮して検討しましょう。掃除やメンテナンスがしやすい工夫をしておくことも、生活の負担を軽減するためには有効です。コロナ対策に限らず、清潔で安心な住まいをつくることは、お家時間を快適で楽しいものにするためにも大切な要素となるでしょう。