新築よりも費用が安く、思い通りの住まいをつくれるとの理由から、いま中古物件のリノベーションが人気を集めています。また、生活環境やライフスタイル、家族構成などの変化にともない、ご自宅をリノベーションする方も増えています。どちらにしても、リノベーションを検討するうえで気になるのは、やはり費用のことではないでしょうか。今回は、リノベーション費用の相場や内訳、費用を抑えるポイントをご紹介します。
■そもそもリノベーションとは?
「リノベーション」という言葉が浸透してきたのは比較的最近のことであり、具体的にどういう意味なのか、また「リフォーム」との違いは何なのか、詳しくは分からないという方も多いのではないでしょうか。両者に明確な線引きはありませんが、「リノベーション」とは、既にある建物に手を加えて、新たな機能の付加や価値を向上させる改装工事のことを意味します。回復や修復といった意味合いが強い「リフォーム」に、プラスαでより個性やデザイン性を持ち合わせたイメージかもしれません。
■リノベーション費用の内訳
工事の規模や内容、施工会社によって費用は大きくことなります。一般的な費用の内訳としては大きく分けると、次のようになります。
・基本工事費用
不要な内装や設備を解体・撤去する工事、足場などの仮設工事、木工事や内装工事、必要に応じて、電気配線や給排水工事、塗装や板金工事など、材料費や人件費を含めて、各種工事にかかる費用です。
・設計費
部分的なものや小規模なリノベーションではかからないことも多いのですが、間取り変更など構造への影響が考えられる場合は、設計費がかかることもあります。設計料の金額は施工会社によって異なります。
・諸費用
リノベーションに限ったことではありませんが、工事以外にもさまざまな諸経費がかかることを念頭に置いておきましょう。各種書類作成や申請に関する費用、仮住まいや引っ越し費用など、必要に応じてさまざまな費用の発生が考えられます。
■費用を抑えるポイント
先述のようにさまざまな費用が考えられますが、金銭的負担を抑えるポイントも知っておきましょう。
・設備や建材のグレードを下げる
最新設備や多機能なものは魅力的に思えますが、その分価格が高くなります。生活の中で、本当にその設備が必要なのか、機能のすべてを使うのか、などをしっかり見極めましょう。建材にこだわるなら、部分的に使用するなど、メリハリをつけて導入するのも良いでしょう。自然素材の風合いに似た人工建材も、安価で多様性があるのでおすすめです。
・できるだけまとめてリノベーションする
屋根や外壁など足場が必要な工事では、2回に分けるとその分経費がかかります。また水まわり全体なども、まとめてリノベーションすることで効率的に施工でき、安く済むことがあります。気になるところがあれば、合わせて工事するように、時期を含めて検討しましょう。
・補助金や助成金を活用する
住宅の改修工事に対して、国や各自治体が補助金・助成金制度を設けていることがあります。交付対象や該当する工事内容などの条件は自治体や制度によって異なりますが、補助を受けることができれば、金銭面での負担を大きく軽減できます。リノベーションを検討する際には、事前に調べておくと良いでしょう。
新築でもそうですが、リノベーションも願望をすべて組み込んでいてはキリがありません。予算や「どのような家にしたいか」というプランを明確にして、優先順位を考えておくことが大切です。そのうえで、信頼できる施工会社とよく相談して、工事内容や仕様を決めていきましょう。リノベーションで、快適な住まいが実現しますように。