冬の寒い時期は家でゆっくりとくつろぎたくなりますが、家の中でも寒さを感じるようでは快適に過ごせないですよね。暑さや寒さは体に負担をかけ、ストレスも大きくなります。特に温度差を感じにくい高齢者は、ヒートショックなどさまざまな危険性の要因になることもあります。冬でも快適に過ごせるように、リノベーション工事や設備を上手に活用する住まいづくりのポイントをご紹介しましょう。
■窓の断熱性を高める
家の中で最も熱が逃げやすいのは窓であり、外部へ流出する熱の約50%が窓から出ているという調査結果もあります。そのため、寒さを解消するにはまず窓まわりを見直すことが大切です。単板ガラスを複層ガラスに交換する、断熱性の高い樹脂サッシに交換するといった方法が多く用いられています。ただ、窓の交換には外壁の解体工事などを伴う場合があるため、費用や時間がかかってしまうこともあります。既存の窓の内側にもう一つ窓を設ける方法もあり、こちらは外壁への影響もないためマンションでも施工でき、時間もそれほどかかりません。窓が二重になるので遮音性や防犯性も上がります。鍵や窓を二つ開ける手間を億劫に感じることもあるかもしれないので、開閉の頻度や設置場所に応じて、寒さ対策の方法を選ぶと良いでしょう。
■家全体の断熱性を高める
家の老朽化など大規模なリノベーションを検討しているときは、家全体の高断熱化も併せて考えてみてください。室内の暖かさを逃さず、外の寒気を室内に伝えないためには、天井や壁、床などに断熱材を入れる方法が効果的です。家中の温度差を小さくすることができ、体への負担も軽減できるでしょう。家全体のリノベーションが難しい場合は、キッチンやリビング、浴室など生活に欠かせない部分だけを断熱する方法もあります。暖かい空気は上にたまりやすいので、床暖房を取り入れて、足元を暖めるのもおすすめです。
■自然の力を取り入れる
風や日光などの自然エネルギーを最大限に活用する「パッシブデザイン」という考え方がいま注目されています。軒や庇の長さ、窓の位置や大きさを調整し、冬の時期でも日光の暖かい日差しがたくさん取り込めるように工夫しましょう。無垢材や漆喰などの自然素材が持つ調湿作用を活用するのもいいですね。
今回は冬の寒さ対策についてご紹介しましたが、断熱性を高めることで、夏の暑さ対策にもなり、冷暖房費の節約にもつながります。心身の負担を減らし、快適で健康的な生活が送れるようなリノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。