「リノベーション物件」はここ数年で、住まいの選択肢の一つとしてすっかり定着したように思います。新築物件よりも比較的安価に購入できることが多く、都心など人気のエリアでは注目度が高まっています。とはいえ、中古物件に不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、リノベーション物件を選ぶ際にチェックしたいポイントをご紹介します。

■築年数

リノベーション物件が新築物件と大きく違う点は、建ててから年数が経過しているということです。リノベーションで内装などはきれいになっていても、構造自体に問題があっては困りますよね。耐震性に関しては、1981年に建築基準法の耐震基準が改正されたのですが、それ以前に建てられた物件では新しい耐震基準を満たしていない可能性も考えられます。もちろん、1981年以前に建てられた物件でも、耐震性能に優れた建物はたくさんあります。まずは築年数を確認し、耐震診断を受けているか、耐震に対する補強や改修が行われているかも併せて確認しておくと良いでしょう。

■管理状況

古くても適切に管理されていれば、良い状態を保つことができます。とくにマンションの共用部分はリノベーションできないため、エントランスや廊下、エレベーターといった場所がきちんと手入れされているかどうかは、物件の管理状況を見る一つの目安になります。また、これまでに行われた修繕や今後の修繕計画についても確認しておくと良いでしょう。適切な修繕や定期的なメンテナンスが行われていれば管理状況は良好と考えられ、居住する場合はもちろん、不動産投資としても資産価値が保てるメリットがあります。

■周辺環境

これはリノベーション物件に限ったことではありませんが、住宅は大きな買い物となるため、物件だけではなく周辺環境もチェックしておきましょう。生活に欠かせない施設が近隣に揃っているかどうかは、住まい選びの重要な要素になります。時間帯や曜日を変えながら、周辺の交通量や街灯の有無などを実際に見ておくと良いでしょう。各自治体が提供しているハザードマップで、起こりうる災害リスクを事前に確認しておくのも大切です。

リノベーション物件にはたくさんの魅力がある反面、心配な部分があるのも事実です。今回ご紹介したチェックポイントは、ほんの一部に過ぎません。自分たちの暮らしを見直し、物件に対する優先順位を考えておきましょう。不動産会社などの専門家に相談することもおすすめです。